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再生ポリエチレンフィルム

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​はじまり

 

ポリエチレンをどうエコにするのか、このソリューションの決定までには様々な観点から検討しました。

  • 私たち豊田通商で取り扱っているバイオポリエチレンへの置換

  • 再生材の使用

  • その他新素材の採用

といった選択肢がありました。

しかし、環境への影響を調べていくうちに、世界ではゴミの廃棄はほとんど埋め立て処分となっていることを知り、バイオや素材を切り替えるだけではゴミは減らない。

廃棄物を出さない循環型の物流を目指すにあたり、まずは何から手を付けるべきかを決めるため、我々の提供するVtoV物流で1番使われている資材は何かを調べました。 その結果、内装梱包に使用されている資材の総重量の内、段ボールが約7割、ポリエチレン資材が約2割を占めていることが分かりました。段ボールは資源循環においては先を言っている製品であるため、まず、ポリエチレン資材の資源循環を目指すことにしました。

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優先すべきことは、廃棄物を再生させて、資源を循環させることわかりました。ただ、わかっていても、何からどう取り組めば良いのか悩んでいたところ、様々な紙の原料を扱っており、資源循環のノウハウを持つグループ会社の豊通マテックスから再生ポリエチレンの提案があり、この取り組みを共に進めることになりました。

02

開発~現場への導入

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再生ポリエチレンを使用するにあたり、私たちは消費者が使用した後の廃棄物の削減という点に拘り、ポストコンシューマ(PCR)材を最大限含む再生ポリ袋の開発を開始しました。また、再生材の使用によるコスト上昇を抑えるため、厚さやサイズの見直しを同時に行うことにしました。

100%再生材を使用したフィルムの開発自体はスムーズに進み、まずはVtoV物流で導入してみることになりました。しかし、「異物混入による製造設備焦げ付き」が発生。
焦げ付きの清掃が必要となり、製造コストが大幅にUPしてしまいます。
ポストコンシューマ材の特性上、多少の異物混入は仕方ないのですが、ここまでの影響は予想できませんでした。

また、立て続けに「梱包材の袋が張り付きやすくなって作業効率が落ちる」という問題も発覚。気温の影響があるのか、トライの際には出なかった問題でした。

そこでできる限りバージン品同様の品質とコストに近づけるため、再生材の配合や種類を変えるなどしながら試作を繰り返し、微調整をしていきました。製造協力メーカーも、再生材についての知見が豊富にあるわけではありませんでしたが、豊田通商グループ全体として製造現場に入らせていただき、一緒になって製造プロセスを検討。トヨタ式カイゼンを取り入れるなどして製造コストを抑えることもできるようになり、結果としてバージン品同等の価格と品質を実現することに成功しました。
 

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再生ポリエチレン袋の特性

①コストを維持しつつ、GHG-45%削減を達成
再生材フィルムへの切り替えにあたり、袋のサイズを見直し、またフィルムの厚みを薄くすることで、樹脂使用量を25%削減。素材の再生化と合わせて、45%/年※のGHG排出量の削減に成功しました。
*当社が切替以前に使用していたバージンフィルム比

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②品質(物性、透明度、作業性)へのこだわり

引張・引裂・伸びといった基本物性は勿論のこと、透湿試験や振動試験、長距離輸送試験を行い、バージンフィルムと物性に大きな差がなく、梱包部品への影響がないことを確認したうえで、導入しました。また、現場での作業性を担保するために、フィルムの滑りを改善することや、梱包物が見えるように再生原料を調整し、フィルムの透明度を担保することで、袋の品質にもこだわりました。

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導入に当たって困難だったこと

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再生フィルムの導入にあたり困難だったことは、やはり予想だにしない問題の連続発生とその事象に対する改善活動です。
弊社、フィルム資材製造協力メーカーともに再生材の取扱いが初めてであり、ノウハウが全く無い状況で、量産を続けながら、品質を担保するのは至難の業でした。
特に、設備焦げ付きに関しては、品質悪化や製造停止に直結するため、製造協力パートナーの技術、営業担当と連日議論→試作を繰り返したことを覚えています。
時には、言い合いになることもありましたが、結果として、製造継続に問題のないレベルまで改善することができました。

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~おわりに~

再生ポリエチレン資材の製造開始~導入にあたっては、様々な試行錯誤を乗り越えてきました。これからも努力、改善を重ねていくとともに、生産物流を営むお客様へも、この資材を提供していくことで、この取り組みを拡大していきたいと考えています。
そのために、再生させるためのポリエチレン資材の回収にも今後取り組んでいきます。
お客様から回収した資源を、新たな製品として生まれ変わらせて提供する、そのような循環を通して、我々が提供するサービスが少しでも未来の子供達のためになればと思います。

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